発売日 2012年9月28日
メーカー Yeti
ジャンル SFサスペンスアドベンチャー
原画 みけおう、わだぺん。、おおたか鳴海
シナリオ 日向もやし、月島トラ、月島総記
価格 8,624円
おすすめ度 ★★★★★
評価 神作

シナリオについて

独特なシステムを採用したゲーム

『ルートダブル』は脱出をメインとしたSFもので、サスペンスとサバイバル、そしてミステリ要素を絶妙なバランスで配合したゲームです。

 

巨大科学研究施設で重大な事故が発し、閉じ込められた6人をレスキュー隊が救出するというもので、ルートはAとBそして最後に出現するCルートしかありませんが、分岐ルートが複雑に作り込まれていて、飽きさせない工夫がなされています。

 

閉鎖空間からの脱出と超能力による救出と、事故原因を解明していく推理的な要素も加味しています。
ルートAはレスキュー隊の隊長視点で研究所からの脱出を図り、ルートBでは閉じ込められた男子高校生達の視点で事故が起きるまでの6日間を回想します。
ゲームによく採り入れられる「選択肢」というものはなく、キャラクターに対するプレイヤーの思い入れによって分岐するシステムです。
これはかなり画期的で、プレイヤー自身の感情によってゲームの進行が左右されます。物語の展開の予想を困難にさせてドキドキ感が増すようになっていますね。
ただしこのシステムの分岐が複雑なおかつBADENDが多数あるので、普通にやっているとクリアまで莫大な時間がかかると思います。
自分の力で行くのも楽しいですが、難しい場合は攻略サイト等を見ながらやっていくのもいいかと思います、

シナリオにはかなりのボリュームがあって、アドベンチャーゲームに慣れている人でも、20時間程度かかると思います。早い人でも15時間くらい、普通の人なら40時間くらいはかかると思います。(ちなみに私は45時間かかりました)

 

場面ごとに悩む部分もありますが、正しく決断できれば1回プレイするだけでトゥルーエンドに到達することも可能です。
体験版はAルートで、製品版はそれに加えてBルートをプレイできます。伏線が巧妙に張り巡らせてあり、設定の練り込みも充分で飽きさせない展開のゲームです。
伏線回収はかなり素晴らしくもう考察する箇所を与えないほどでしたw

 

キャラクターも魅力たっぷりで熱いシーンも数多く用意されています。
なんということのない会話が後から伏線として効いてくるのを体験するのは快感です。
あまり深いことを考えたくないという人にも楽しくゲーム世界に入れるよう工夫されていて、ノベルゲームとしても高い質を確保しています。シュタインズゲートやリトルバスターズの良いところだけミックスさせたような、クオリティの高いのゲームです。

各ルートについて

 レスキュー隊視点のルートA

『ルートダブル』のルートAはレスキュー隊の隊長の視点で、事故が発生した研究所からの救出を描きます。
事故発生から3時間後から描かれます。多くの問題を解決してきた仲間たちが協力して閉じ込められた人々を救っていきます。ここになかなかエグい設定がしてあって、ミステリとサバイバル、そしてサスペンスを味わえます。
アクション映画的な爽快な面白さもあります。レスキュー隊の隊長がカッコよいですし、相棒となる女性は普段はスーパーウーマンなのに、たまに見せる可愛い姿とのギャップが素晴らしい。
元気の良いヒロインも登場します。

 

Aルートの特徴は、主人公が記憶喪失という設定であることです。良くある設定ですが、これが後になって「なるほど」と思わせるように作ってあり、また記憶喪失モノかというガッカリさせる感じはありません。
プレイを進めていくと、これまでのSFモノや記憶喪失モノにはない大きなカタルシスが味わえます。中だるみなく一気に進めることができるのがAルートです。

高校生視点のBルート

体験版にはなかったのがBルートで、Aルートの後にプレイすることをおすすめします。

 

Aルートである程度明らかになった謎がさらに複雑化して、トゥルーエンドにかなり感動します。Bルートは研究所で事故が起こったその瞬間、高校生の主人公と、同級生の女の子2人が閉じ込められてしまうところからスタートします。
Bルートでは悠里という少女の正体が明かされます。

ちょっと学園風でもあり、ギャルゲーなどでお馴染みの展開があります。ここで登場するヒロインたちが可愛いです。(*’ω’*)
Aルートでは、この高校生たちにはほとんどセリフがなく、何のためにこの研究所にいたのか、どのような人間なのかも分からないまま終わりますが、Bルートに入った途端にハッと気づくようになっています。
プレイしてゾワゾワと鳥肌が立つ瞬間だと思います。すでにAパートをプレイしていることが前提ですが、かなりの興奮を味わえます。Bルートは説明なしでどんどんストーリーが展開していきます。緊迫した状況がずっと続くので、Aルートよりもテンポ良く感じられるでしょう。

また特殊能力とでもいえるBCというのが若い子供や学生に備わるのですが、このBC能力の設定が世界観にいい味を出してよかったです。

音楽について

オープニングはルートごとに分かれていてどちらもかっこいい曲とムービーで先が気になり早く続きが見たい!と思わせてくれます。
BGMの多数あり、熱いシーンではかなり盛り上げてくれます。

システムについて

システムについてはこれまでにない斬新な「センシズ・シンパシー・システム」というものがあるのですが、
普通に選択肢を選んでいくのではなく、プレイヤー自身の感情の度合いによって分岐やEND先が変化するなどコンプリートがとてつもなく難しいです。

セーブ数等の基本のシステムは満足です。

まとめ

独特の分岐システム

『ルートダブル』では独特な分岐システムが使われます。

 

通常のアドベンチャーゲームやノベルゲームでは、ゲーム中に「どちらを選びますか」という選択肢が出てきて、そこで物語が分岐するようになっていますが、ここではまったく新しいシステムを採用しています。
センシズ・シンパシー・システムと呼ぶもので、これはキャラクターに応じた共感度を入力していくものです。
プレイヤー自身がセンシズの数値を上下させることで、各キャラクターに対する感情が変動してルートが分岐していきます。キャラクターは9人いますが、それぞれに数値が割り振られています。

対応するキャラクターに共感していたり、信頼していたりすれば、その数値を上げて、共感していなければ数値を下げるという形で、主人公自身にも設定されています。
すると、キャラクターたちが別々の意見を持っているときに、このシステムで選んだ方向に話が展開するというものです。
多少面倒なようですが、理屈が分かればすぐに慣れます。
最初の数値を固定させておけば、分岐するところで毎回数値を入力しなくてもプレイを続けられますよ。

 

伏線回収が素晴らしい

『ルートダブル』の魅力は巧みなシナリオです。
ストーリー中に張り巡らされた伏線がかなりのボリュームで、それらがすべてラストまでに回収されます。
ぱっと見ただけではそうとは気が付かないところに伏線が仕込んであって、それが後から効いてくるという構成になっています。
伏線がヒントになって真実にたどり着きますが、それまでに様々に考察して、推理しながら進めるのはかなり楽しいですね。
真相が解明されるタイミングよりも早い段階で材料はすべて揃っていて、これらがうまく作用してラストに向かって進んでいきます。
鋭い人なら見破れるかもしれません。真相のタネ明かしとヒントの配分が絶妙で、終わった後には心地よい満足感があります。
キャラクターの掘り下げも充分で、9人それぞれに見せ場がありますよ。ストーリーの不整合は最小限で、ノベルゲームとしては最高ランクと思います。

 

ムービー

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